日本の給付型奨学の対象進路や給付月額は?申し込み条件は?

給付型奨学金申込資格 奨学金

今まで日本には公的な給付型奨学金がありませんでした。

ですが近年貧困化による子供が受ける教育格差が問題視されるようになり、
ようやく日本でも平成30年度の進学対象者から公的給付型奨学金が設けられることになりました。

ですがまだまだ諸条件が厳しく、その対象者となる学生の数は多くなかったのですが、
その内容は令和2年4月にはさらに対象者を広げることになりました。

対象となる進路は?

公的給付型奨学金が対象とする進路は、
大学、短大、専門学校、高等専門学校(4年生)です。

ですがこれにも条件があり、決してすべての大学や専門学校が対象になるわけではないようです。

JASSOによると、

※進学先の大学等は給付奨学金の対象校として国又は自治体の確認を受けた大学等(「確認大学等」という。)であることが必要です。確認大学等は、9月以降、国又は自治体より公表される予定です。

学力基準は?

以下の1.もしくは2.のいずれかに該当する必要があります。
1.高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること(※1)
2.将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学修意欲を有すること(※2)

※1 専修学校の高等課程の生徒等は、これに準ずる学修成績となります。
※2 学修意欲等の確認は、高等学校等において面談の実施又はレポートの提出等により行います。

参照:JASSO-申込資格・選考基準

収入基準は?

3つの条件により第1区分~第3区分に分けられ、その区分によって給付月額が決まります。

第1区分・・・本人(奨学金を希望する学生)と生計維持者の市町村民税所得割が非課税であること(※1)。

第2区分・・・本人と生計維持者の支給額算定基準額(※2)の合計が100円以上25,600円未満であること。

第3区分・・・本人と生計維持者の支給額算定基準額(※2)の合計が25,600円以上51,300円未満であること。

※1 ふるさと納税、住宅ローン控除等の税額控除の適用を受けている場合、各区分に該当しない場合があります。
※2 支給額算定基準額(a)=課税標準額×6%-(調整控除額+調整額)(b)(100円未満切り捨て)
(a) 市町村民税所得割が非課税の人は、(※1)の場合を除き、この計算式にかかわらず、支給額算定基準額が0円となります。
(b) 政令指定都市に対して市民税を納税している場合は、(調整控除額+調整額)に4分の3を乗じた額となります。
なお、それぞれの区分における収入の上限額の目安は以下のとおりとなります。

参照:JASSO-申込資格・選考基準

給与所得者給与所得者以外
世帯人数世帯構成(想定)第1区分第2区分第3区分
2人本人、一人親(給)207,000円298,000円373,000円
3人本人、一人親(給)、中学生221,000円298,000円373,000円
4人本人、父親(給)、母親(無収入)、中学生271,000円303,000円378,000円
4人本人、父親(給)、母親(給)、中学生父親:221,000円
母親:115,000円
父親:242,000円
母親:155,000円
父親:320,000円
母親:115,000円
5人本人、父親(給)、母親(パート)、大学生、中学生父親:321,000円
母親:115,000円
父親:395,000円
母親:115,000円
父親:461,000円
母親:115,000円
世帯人数世帯構成(想定)第1区分第2区分第3区分
2人本人、一人親(給)125,000円176,000円230,000円
3人本人、一人親(給)、中学生137,000円178,000円234,000円
4人本人、父親(給)、母親(無収入)、中学生172,000円191,000円255,000円
4人本人、父親(給)、母親(給)、中学生父親:137,000円
母親:115,000円
父親:138,000円
母親:155,000円
父親:185,000円
母親:155,000円
5人本人、父親(給)、母親(パート)、大学生、中学生父親:207,000円
母親:100,000円
父親:256,000円
母親:100,000円
父親:309,000円
母親:100,000円

給付月額はいくら?

給付月額については、収入基準によって当てはまる区分に応じた次の額が毎月振り込まれることになります。

国公立私立通信教育課程
区分自宅通学自宅外通学
大学
短期大学
専修学校(専門課程)
第1区分29,200円
(33,300円)
66,700円
第2区分19,500円
(22,200円)
44,500円
第3区分9,800円
(11,100円)
22,300円
高等専門学校第1区分17,500円
(25,800円)
34,200円
第2区分11,700円
(17,200円)
22,800円
第3区分5,900円
(8,600円)
11,400円
区分自宅通学自宅外通学
大学
短期大学
専修学校(専門課程)
第1区分38,300円
(42,500円)
75,800円
第2区分25,600円
(28,400円)
50,600円
第3区分12,800円
(14,200円)
25,300円
高等専門学校第1区分26,700円
(35,000円)
43,300円
第2区分17,800円
(23,400円)
28,900円
第3区分8,900円
(11,700円)
14,500円
区分国立・公立・私立/自宅・自宅外共通
第1区分51,000円
第2区分34,000円
第3区分17,000円

※( )=生活保護世帯で自宅通学の人、児童養護施設等から通学する人等
※通信教育課程の給付額は月額ではなく「年額」です。

給付型奨学金の申し込み方法は?

日本学生支援機構の奨学金の申し込み方法には「予約採用」と「在学採用」の2種類ありますが、
給付型奨学金の申し込み方法は「予約採用のみ」です。

ですから申し込めるのは高校卒業予定の現高校3年生と、
高校卒業後2年以内の人となります。

給付型奨学金が減額される注意点

国公立大学には学費の減免制度があります。

もし給付型奨学金を受けながら授業料の全額免除を受ける場合、
公立、私立の場合は減免を受けても減額にはなりませんが
国立大学で全額免除を受けた場合に限り給付型奨学金が減額されてしまいますので注意しましょう。

奨学金は給付型と第一種と第二種併用できる?

給付型奨学金は返済の必要がないお金なので、奨学生にとってはとても魅力的ですよね。

とはいえ、給付型奨学金のみで授業料や生活費を補えるかというと
ほぼ無理でしょう。

給付型奨学金は第一種、第二種奨学金との併用もできますので
上手に活用しましょう。

 

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