奨学金の申し込みの内容には、200字程度で奨学金を借りる理由を書く欄があります。
名前や住所を書いたり、親の収入について調べたりすることには
はっきりとした答えがありますが、
奨学金を借りる理由には答えがありません。
なので誰もがここで手が止まってしまうことでしょう。
単純に事実を書けばいいだけではありますが、
とはいえ、いざとなると「この理由のせいで不採用になるかも・・・」
と考えると緊張してしまいますよね。
そこで、奨学金の申請理由を書くときにどのようなことに気をつけたらよいのか、
また、代表的な理由による例文をご紹介します。
奨学金申請理由の書き方のコツ
奨学金を申請する理由に共通しているのは「お金が必要である」ということ。
ではなぜお金が必要なのか?
という点を分かりやすく説明すればいいわけです。
極端な話、成績や家計の収入基準はクリアしていて、
申請の理由で不採用になったというあからさまな話は聞いたことがありません。
とはいえ明らかに不純な動機で奨学金を借りようとしているとなれば、
特に利子のかからない第一種は通るハズがありませんよね。
(ですがぶっちゃけ借りてしまえば奨学金を何に使おうが奨学生の自由)
奨学金を申し込むと決めたからには採用にならなければ意味がありません。
じゃあ申請理由にはどのような点に気をつけたらよいのでしょう。
書き方のコツ1つ目は「読み手がいる」ということを意識すること。
これをしないと自分の言いたいことだけをただ書き連ねただけの文章になり、
なかなか共感を生むことができません。
文章を読み、今のあなたの現状が審査員の頭に思い浮かぶように
イメージしながら書くことを心がけましょう。
書き方のコツ2つ目は「自分の意思」と「前向きさ」を盛り込むこと。
奨学金は「借金」ですから、自分の意思なく誰かに言われるがままに
借りようとしているのであれば先が思いやられます。
奨学金の返済が苦しくなってから、
「だって○○が奨学金借りろって言ったから・・・」
なんて言い訳したって何にもなりません。
自分の意思で借りるということは、
返すこともきちんと考えなくてはいけません。
その点をしっかり理解できているというのはアピールポイントになります。
あと奨学金を借りるのは「大学進学のため」ではありますが、
それはつまり「将来のため」という前向きな理由になります。
大学進学の先のこともしっかり考えているからこそ、
今の自分には大学へ進学するためのお金が必要であるということを
感じてもらえれば、審査員の心証はいいものになるはずです。
それではこの点を考慮した例文を、
- 兄弟が理由の場合
- 母子(父子)家庭が理由の場合
- 単身赴任が理由の場合
- 自立心が理由の場合
に分けてご紹介します。
奨学金を借りる理由その1.兄弟
上の兄弟がいる場合
私には現在地方の大学に通う兄(姉)がいます。
親は兄(姉)に仕送りをしていますが、
私の家は決して裕福でないため、生活費や大学にかかる費用を
全額負担することができず、不足分は奨学金を借りて大学生活を送っています。なので私にかかる生活費や大学費用も
全額親が負担することはできないと言われています。ですが大学へ進学することは、自分の将来に必要であると考えているので
奨学金を申し込むことに決めました。(190字)
下の兄弟がいる場合
私には下に進学を控える弟(妹)がいます。
両親は私たち兄弟に大学進学を応援してくれており、
そのため日々働いています。ですが私や弟(妹)にかかる塾の費用などもあり、
家の経済状況にはあまり余裕がありません。先に私の進学費用にお金をかけすぎることで、
弟(妹)が進学できなくなってしまうのは
兄(姉)としては避けたいと思っています。そしてなるべく親にかかる負担を軽くするために
奨学金を借りて大学へ行くことを決めました。(188字)
- POINT:親や兄弟を思いやる気持ちを表現することで「責任感と思いやりのある子」、「この考え方なら責任をもって奨学金を返済するだろう」と感じる。
奨学金を借りる理由その2.母子(父子)家庭
数年前に片親になったことから、家の経済状況は常に
余裕がありませんでした。ですが母(父)は私にはしっかりと教養を学んでほしいと
大学進学を望んでおり、私自身も大学進学を希望しています。母(父)は何も言いませんが、大学進学にかかる費用を
全て用意するのはかなり難しいだろうと感じました。自分の進路であることから、大学進学の費用は
自分で賄おうと決め、奨学金を借りることを決めました。(182字)
- POINT:自分を育てるために一人で頑張っている親の気持ちを思いやり、負担をかけないように自分にかかる費用を自分で背負おうとする覚悟を感じる。
奨学金を借りる理由その3.単身赴任
私の父は家族のために〇年前より単身赴任をしています。
手当が支給されてはいるが、二重にかかる家計費を
賄い切れていないことを先日母に聞きました。両親は私の進学を応援してくれていますが、
大学進学にかかる費用を調べた時、
全てを負担してもらうのは無理があると感じました。大学費用について調べるうちに奨学金制度があることを知り、
これなら親の負担を軽減することが出来ると思い、
奨学金を借りることを決めました。(197字)
- POINT:現実にかかる大学進学費用を自分で調べたり、その負担を親に強いる大変さを考え、自分で対策する「しっかり者」と感じる。
奨学金を借りる理由その4.自立心
私の両親は私が小さい頃から大学進学させようと
しっかり準備をしてくれていました。ですが私としては、高校を卒業した後の人生は
自分の責任で生きていきたいと考えています。自分の力で生きていくためにはどんな大学へ進み
どんな職業に就くかなど色々考え、調べているうちに
奨学金制度のことを知りました。これなら親の力を借りることなく自力で大学進学が出来ると知り、
奨学金を借りることを決めました。(188字)
- POINT:ただ自立心旺盛であるだけでなく、自立のために自分の将来を大学進学の先のことまでしっかり考えている「計画性がありしっかりした子」と感じる。
まとめ
奨学金申請理由の書き方のコツは、
・読み手を意識し、わかりやすい文章を心がける
・奨学金を借りるのは自分の意思であることを表現する
・将来について前向きに考えていることを伝える
この3点を意識して文章を考えれば、
200字なんてあっという間です。
奨学金を借りる理由は一つではない場合のほうが多いですよね。
いくつもある理由をすべて盛り込もうとすると
とても200字では収まらなくなってしまいます。
なので奨学金を借りる一番大きな理由に焦点を当てて
書くようにするといいですよ。
そのためにも、まずは自分の環境や現状を洗い出してみましょう。
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